日記

 完璧なる敗北だった。まさかここまでやられてしまうとは。正に悲劇だ。家で独り、日頃溜まっている鬱憤を吐き出そうとしたところ、ここまで痛い目を見るとは。これまでだって今日みたいなことはよくあった。今日より酷い時だってあった。それでも昨日僕は何も悪いことはしなかったはずだ。今日の奴は普段から考えても、それほど巨大な奴ではなかった。いつもいつも僕の内側から僕を苦しめてはニタニタ笑うような感じがとても厭だった。実際それで中学の時はかなり苦しんだ。病院にだって行った。それが何だって急に今日また出てきちゃったんだよ……。肛門が破れるかと思ったじゃないか。すげぇ硬いうんこだったよ。マジ昨日とか変な物とか食べてないし、どうしてそんな硬い奴がいきなり勢い良く噴出してきたんだ?
 普段のうんこが京王線の快速列車だとすると、今日のうんこが出てきたスピードはドドンパだよ、富士急ハイランドの。加速も何もせずに急に腸から出てきやがって。きっと直腸も肛門もズタズタだよ。仗助がアクアネックレスを捕まえる為に飲み込んでおいたゴム手袋ぐらいズタズタになっているに違いない。いや、この例えはそれほど巧くないぞ。わかってる。僕だってわかってる、それぐらい。でもマジで今日のうんこの出てくるスピードはヤバかったなあ。