日記

 大学の友人宅で鍋を食す催しがあったので参加させていただいた。いつもの面子でなかなか沸かない鍋を囲むというのは何とも良い感じだ。僕の炬燵は2年前に従兄弟に譲ったので、炬燵に入るのは久しぶりだった。やはり炬燵は人間を駄目にする道具となる。1人に1台炬燵が普及されたら、GDPは確実に減少するだろう。大麻よりも人を堕落させるに違いない恐ろしい代物だ。それでも炬燵は良い。素晴らしい発明品だ。イグノーベル賞ぐらいなら余裕で受賞出来るだろう。そしてビールもまた素晴らしい。鍋が沸く前に杯を交わす。旨い。ビール最高。人が密集した熱気でムンムンになった部屋、炬燵の熱、それらとアルコールとが反応して僕の顔を紅潮させる。ビール1缶でポヤンとした気分になる。自分の意識とは関係無しに言葉が口を衝いて出てくる。日頃考えていることを喋る。そんな時に北斗晶が出演する洗剤のコマーシャルがテレビから流れてきた。それを観て、「北斗晶って漫☆画太郎の描く絵っぽいよな」と僕が言うと皆から「オー!」だとか、「あー!なるほど!」という大きな賛同を得ることが出来た。最近一番嬉しかった瞬間だった。こんなことでしか喜びを感じられない生活を送っている僕。だからこそ友人等と集まって酒を飲んだり、ご飯を食べたりすることは生きていく上で大きなクッションとなりカンフル剤となっている。学生としてこういった場が開かれるのも残りあと3〜4回あるか無いかだろう。ならばこういった場で記憶を失くすような飲み方はしまい。勿論今回の集まりでの皆の一挙手一投足、更にはいつ頃何を言ったのかまで詳細に記憶している。そう。それは自閉症の人間に現れることがあるというサヴァン症候群の、一度見たら忘れない能力の所持者並みの記憶力・観察力でだ。サヴァン症候群の他にも虚言症も併発している気もするが。
 というか馬鹿俺。俺の馬鹿。糞俺。はっきり言って上述したようなことはどうだって良いんだ。今日の日記に記録しておきたかったことはこれから書くことだ。僕はこの気持ちを忘れないようにしようと思って日記を書いているのだ。
 会場を提供して下さった家主さんには、毎度毎度騒いで、こぼして、片付けもままならぬまま帰って、迷惑ばかり掛けてしまって大変に申し訳無いと思うと同時にとても感謝しています。感謝せずにはいられないです。本当にありがとう。
 日頃、こういうことをこの場に書くのはとてつもなく詰まらないことで、全く以って独りよがりな内容になってしまうので避けている。僕は、なるべくは翌日自分で読んで面白くなるものを書こう書こうと努めているのだが今回ばかりは謝辞を表さずにはいられなかった。明日からはふざけた内容を書こう。