Wドライヴ院 (講談社文庫)

Wドライヴ院 (講談社文庫)

流水大説。完全なミステリーではなく、超越的な出来事を織り交ぜた話が2話収録されている。どちらのエピソードから読み始めても楽しめると謳っていたので、後半に収録されている『Wカウントダウン50』から読む。なかなかどうして。やはり結末には流水イズムが。読了した後でも、本当の結末はまだ僕にはわからない。真の解決は物語の外にあるという。
そして前半の『木村さん殺人実験W』。星新一っぽい。作中にも星新一がどうたらという描写があるぐらいだし。確かにどちらから読んでも楽しめそうだ。ただ僕は前半から読んだ方が楽しいと思ってしまった。最早遅過ぎるけれど。
まだ清涼院流水の著作はこれを含めて3作品しか読んでないけど、どの作品にも異常なまでの言葉への固執が見られる。きっとラップとか好きなんだと思う。好きじゃなくても作品の為に聴いてそうだ。
“聴いてソウだ”にしたらソウと掛かってて洒落た感じに、ならないな。もうこんなことしか言えなくなってきてる。きっと事故の後遺症だ。