日記

 学校の友人宅で酒を飲む会が催された。家主がバイトで不在のまま、暇人がまず3人集まり、スーパーマーケットで買物をした。酒と鍋っぽいものが食べたかったので鍋の具となりそうな食材をカゴに放り込む。あと屑肉を寄せ集めて形成されたアメリカンな缶詰、スパムも勿論購入した。更にパーティーで被るような三角錐のボール紙で出来たキラキラの帽子も何の躊躇いも抱かずに買った。酒や野菜に関しては少しでも安い物を、と買物をしているのに、どうしたことかこういった下らない物を買う時には思考回路はショート寸前どころかショートしてしまっているのである。
 家主が不在なのにどうして僕等は家に入れたのだろうか?答えは簡単だ。僕等は流行に敏感なのだ。今流行りのサムターン回しという最先端の方法で闖入した。という夢を見た。実際にそんなことをすると捕まるので、僕等はポストを開けた。そうして鍵を見つけることが出来たのだ。寒風が無ければ最早僕等の天下。料理に精を出したり、合間にパソコンのエロファイルを探ったり、ビールを飲んだり、合間にディスクドライヴに入っていたDVDを探ってみたり。忙しなくも充実したひと時を送ることが出来た。
 ゲテモノを入れていないにも関わらずゲテモノ色をした鍋が完成した。空腹は最高のスパイスと言った人は多分結構不味い物を食べたんだと思う。それでもやはり空腹はそこそこのスパイスとなり得た。僕等は食べた。涙を流しながら。良い意味で、だ。そんなところに家主さんが登場。駆け付け一杯とビールを渡し、鍋を勧めて場は更にヒートアップした。高橋ひろ氏の話をしてしんみり風になったり、まこと&はたけの名タッグの名曲、『空を見なよ』を熱唱したり。この頃には三角錐の帽子は邪魔で仕方が無かった。帽子を安定させる役割を担うゴム紐が、僕の精神を不安定にさせた。
 鍋の残り汁で作ったうどんを食べ、他にも色々食べ、参加者も相当数になった頃には夜も更けてきていた。イエモンを熱唱したりもした。熱唱した記憶が鮮明過ぎて、他の記憶に影響を及ぼしている。熱唱の記憶が他の記憶を侵食してきていた。取り敢えず忘れないのは最初に睡眠に入ったのは家主だったってことだ。夏に同じ会場で飲んだ時も一番に潰れたのは家主だった。自分の家というのが彼を安心させるのだろう。落書きは犯罪を誘発する。タガが外れてきていた。
 コンビニエンスストアでアイスや夜食を買って帰ってきた直後に下半身だけ生まれたままの姿になったりもした気がするがきっと夢だろう。この日記の終え方がわからない。