日記

 中学時代の友人と新宿で会う。高校の時に何回か僕の学校の文化祭に彼女を連れてきたけれどちゃんと2人で話をするのは中学卒業以来、7年振りだ。7年といったらその時生まれた子供が小1になっている。あっという間だったな。
 その友人とは違うクラスだったのに中1の時から何故か結構話をした。主に下の話を。彼の父親所有の下のビデオを2人でこっそりと観たものだ。思えばあの辺りから何かが綻び始めたのかも知れない。中3で同じクラスになり、夏には彼が通っていた塾に僕も通うようになった。彼の方が僕よりもちょっとばかり成績が良かったので志望校は別だった。しかし彼は志望校に落ち、僕は合格した。公立高校合格者だけが手続きの為に中学に集まるのだが、その場に彼が来なかったことには驚いた。世の中は複雑に絡み合って成っているのだ。
 彼は私立の高校に進み、卒業後には大阪の調理師専門学校に行った。僕の彼の知らなかった趣味、料理。僕と同じ高校に通う彼の幼馴染の女性はクッキーなんかを焼いて貰っていたそうだ。そして昨年東京に出てきた。今は某中華の鉄人が経営するレストランに勤めている。薄給長時間労働とのこと。やはり料理の世界は厳しいらしい。『鉄鍋のジャン!』を読んでいても何となく想像していたが。そしてもう1つ。そこの料理長が中国で行われた中華料理のオリンピックで優勝したのだと。こういうのを聞くと僕は何とも顔が綻んでしまう。料理漫画が好きだからだ。料理漫画のようなことが実際に行われており、しかも異国で優勝してしまうとは。日本料理や寿司の大会で外国人が優勝してしまうようなものだ。
 というような彼の近況を聞いたり、自分の近況を話したりした。そして僕はある驚愕の事実を知った。どうやら大人は風俗に行くらしい、ということだ。彼は大阪の専門学校時代に先輩に誘われて行ったらしい。そしてこっちに来てからもそういうことが何度かあったのだという。大人凄い。大人怖い。行ったことがないと僕が応えた時、友人はかなり驚いていた。それぐらいポピュラーなものだったのだ。それでもやはり行くと毎度後悔してしまうらしい。行く前はワクワクテカテカなのだが欲望を放出した帰り道は「嗚呼……何やってんだか……あの○万円があればあんなこともこんなことも出来たのに」と思ってしまうという。金が有り余っている人間の贅沢な遊興なんだ。きっと。
 風俗レポを聞いた後は中学の方々が今どのような暮らしを送っているのかを聞いたり聞かれたり。どうやら大学に進学している人が多いみたいだ。あと、彼の幼稚園の頃からの知り合いであり、僕の小学校の知り合いであった田村君がお父さんになっているんだってさ。凄いね。ちょっぴり頭の悪そうな田村君が結婚してたとはね。何とも遣り切れなくなった僕はビールを一気に煽って、飲み馴れない日本酒まで注文してしまったよ。
 その後も延々と酒を飲み、昔の話をした。昔の話は楽しい。じいさんやばあさんが戦争の話や若かった時の話をしたがるのもわかる年になってしまった。嗚呼恐ろしい。そしてこの日記は詰まらない。家に酒が無かったから仕様が無い。