日記

最近高校生だった頃をよく思う。
夢にも同級生がよく出てくる。夢の中でも時間が進んでいる。21歳の僕と男友達2人で井の頭線に乗っていると途中の駅で同級生の女の子が乗ってくる。ただそれだけの夢なのだが何故だか印象深い夢だった。そういえばこの時期は文化祭が迫ってきていて学校中がその準備に追われて無性にワクワクしたものだ。夕立とその夕立に熱を奪われて立ち上がってくるアスファルトの匂いが何とも心地よかった。夜の9時、10時近くまで友人と学校にいると不思議な感じがした。あれが青春というものだったのだろうか。そうであるならば僕は青春というものがとてつもなく好きだ。あの感覚を今一度味わいたい。
少しでもあの感覚に近いものを味わう為に僕は夜8時に散歩する。昼間の猛烈な暑さが和らぎ、時々ぬるい風が吹く。凄く好きな温度と湿度だ。歩くと汗をかくが、信号で歩みを止めるとぬるい風を感じて少し涼しい。一生このぬるい風の中を歩いていたいと思える程に気分が良い。川岸の遊歩道を歩いていると街灯に照らされたべンチに腰掛けて煙草を吸う中3か高1の少年。傍らには自転車が停めてある。きっと家や学校では吸えない煙草をわざわざ吸いにここまで自転車を漕いできたのだろう。以前の僕ならば「ヤバい。煙草なんか吸ってるよ。怖い」等と思っていたがどうも今はそういった思いが湧いてこない。何だか彼が可愛らしいのである。親に、教師に知られないようにひっそりと川岸で煙草を吸う様、気の遣いようが何とも可愛らしいのだ。中3ぐらいの人間が僕にとっては子どもになってしまったのであろうか。これまでは中3と大学生はそれ程かけ離れていないと考えてきたがどうやらそうではないらしい。同じ「学生」というカテゴリーでは括れない隔たりを感じてしまった。青春の感覚を味わう為に散歩に出たのに今、正に青春のど真ん中にいる中3には到底近付けない程に僕は成長してしまったのだ。
帰宅後、パソコンを起動させラジカセにCDを入れる。高2の時によく聴いたGREEN DAYだ。というか高2の夏にホームステイに行ったアメリカで何もすることが無くなり、仕様がなく買ったCDだ。ホストファミリーといない時は部屋でエンドレスでかかっていた。久々に聴く。懐かしい。
とここまで詰まらない日記を書いてはみたものの何なんだろう俺は。戦争の武勇伝を遠い目をして語る爺かと。昔のことを頻繁に思い出すようになるのは死の前兆だ、みたいなことがあるけどそれなのだろうか。それならそれで一向に構わないのだけれども。誰にも迷惑を掛けずに死ねるならそれはそれで良い。