上の文章は佐藤友哉さんを少し意識して書いてみました。まだまだ稚拙ですが誰かこの僕をゴーストライターとして雇ってくれませんか?というわけで佐藤友哉。この人の本はラーメンで云うところの天下一品、若しくはラーメン二郎なのである。特別美味しいと感じるわけではない。寧ろ食後にはもう二度と喰うものかと後悔の念さえ抱く。しかしながら2週間ぐらい経つとまた食べたいな、という雑念が沸々と湧いてくる。そんな内容の本を我々に提供してくれるのが佐藤友哉先生その人なのである。
過去3冊、氏の著作を拝見させて頂いたのですがどれも結末に近付くにつれ本を叩き付けたくなってしまいました。それでも3冊も読んだのはやはり氏の著作には何らかの魅力があるに違いない。若しくは本にLSDが染み込ませてあるのだろう。でもこの本『水没ピアノ』は叩き付けずに済んだ。いつもの如く何人かの軸となる人物が出てきて最後に全てがリンクするというマグノリア方式なのであるが、結構纏まっていてなかなか面白かった。後悔しなかった。
本作は時間軸が滅茶苦茶。その時間と人物が重なり合うとちょっと唸ってしまう。映像化してしまうとオチが最初からわかってしまう。だから僕の小説(予定)のようにドラマ化、映画化されることはないと思う。勿論ゲーム化も無し。僕の小説(予定)なんてかまいたちの夜ばりに大ヒットですよ。バーチャルボーイでアドベンチャーが出来るかは知らんが。兎に角佐藤友哉さん、可哀想に。僕の小説(予定)なんてメディアミックスに次ぐメディアミックスでうはうはですわ。一生遊んでくらしたい(猿岩石)。
それにしてもこの本はかなりの鬱屈具合。携帯のバッテリーの裏のシールを貼りかえるバイトをしている青年の鬱屈具合は何となく僕に似ている気がして読んでいて、うくくうくくと脇から汗を垂れ流しながら暗澹たる気持ちになってきて僕はこうはなりたくない、なってたまるかと感じるのだが現実では着実に彼に近い存在になりつつあって厭だなあ。
兎に角、嗚呼ヤンマガ面白ぇ。今週から木多康昭の新連載が始まったよ。早速しまぶーが餌食になってたよ。少年誌じゃないから長めに続いて欲しいものだ。