映画

『マルコビッチの穴』と同じ脚本家の映画。『マルコビッチの穴』同様に不思議な世界が描かれている。ラブストーリーと聞いていたので期待しないで観た。それが良かったのか予想以上に面白かった。詰まらないのだろうなという事前の僕の期待を裏切ってくれたから面白かったのだろうな。成る程「面白い」という感情は裏切りが起因するわけか。
内容は、あまりに愛し過ぎた恋人との突然の別れ→思い出すのも辛い→記憶を消してくれる会社があるらしい→ジム・キャリーは記憶を消して貰う。というのが話の流れなのだけれども、これから一悶着ある。まあそれが無ければ物語は進まないわけだが(デーモン小暮閣下風に)。記憶を消す作業の間は眠っているジム・キャリーが突然目覚めてしまう。目覚めるといっても脳の中で目覚めてしまう。夢の中でこれが夢だと気付くのと同じ感じなのだろうか。僕はそんなこと今まで無いのだけれど。夢の中で夢だと気付くと夢に破綻が生じて外から魔物が入ってくるみたいな話があったな。舞城王太郎かな?それは良いとしてジム・キャリーは目覚めてしまう。正確にはジム・キャリーが目覚めた世界は夢の中の非現実的なものではなく彼がこれまで経験してきた場面の中。だから本屋の通路を歩いていたのに急に自室を歩いていたりして前後の場面の繋がりは無い。はっきりと記憶に残ってる場面場面渡り歩く感じ。記憶って断片的じゃないですか。その記憶の中で忘れたい部分、つまり別れた彼女との記憶だけが消されていく。ジム・キャリーは消されていく記憶の中でやっぱり彼女のことを忘れたくないと思い出す。ジム・キャリーは一念発起。彼女を連れて記憶の中(脳内)を逃げ回る。と書いてはみたものの僕の文章力で説明するのは非常に難しい。というか無理。脚本家は本当に凄いよなあ。どうやって文字に著したのだろうか?不思議。大好き。
僕から言えることは、是非観て下さい。面白いから。この面白を共有したいから。ということです。