ZOKU (カッパノベルス)

ZOKU (カッパノベルス)

KAPPA NOVELSの装丁はシンプルで良い。


森博嗣の著作を初めて読む。
文体が僕に少し似ているような似てないような。
某国立大の工学部助教授と僕の文体が似ているなんておこがましいけれど。
少しばかり似ているような気がしただけです。
文章の特徴は何と言っても理系特有の語尾に伸ばし棒を付けないこと。
「ホームセンター」ならば「ホームセンタ」。
ジェスチャー」ならば「ジェスチャ」。
読み進めていくうちに小気味良いリズムに感じてくる。
全ての作品でこうなのだろうか?
文章中に工学系の言葉が散りばめられている。
直接の話とは関係ないから読み飛ばしてしまうことが多々あった。
少しずつ自分で数学を勉強しようかな。
講談社現代新書から数学関係の解り易そうな本が出てるし。


この『ZOKU』は犯罪になるかならないかのギリギリの悪戯をする集団"ZOKU"と
それを阻止しようとする集団"TAI"との攻防を描いた話。
作中で大きな動きは無い。ちまちましたやりとりが続く。
それを真剣にやり合うおバカな感じが良いのだろう。
でもあまり面白くはなかったな。
結末がいまいち。大きなオチが待っているかと思ったらそのまま終わってしまう。
大きなオチを勝手に想像していた僕が悪いのだろうな。
別の森博嗣作品を読んでみよう。
Φは壊れたね』を読んでみたい。