ディ差ポイント麺と

新宿から京王線に飛び乗る。僕は特急に飛び乗った。
乗車率恐らく110%。ドア付近に立つ僕の背後には50歳ぐらいのおじさん。
仲間1人と僕の後から飛び乗ってきた。
ギチギチの車内でおじさん、っていうかもうおっさんで良いや、の息が僕の後頭部に吹きかかる。
それは鼻まで伝わり酒臭い。それは良い、それは全然良い。
僕も何度か他人様にそういった迷惑を、無意識下のうちにやっていた可能性はある。
ただおっさん、声がデカい。話す声がデカい。仲間のおじさんの声は車内であるということを配慮して抑えている、と思われるのに。
仕事の話。別にそれは良いのだ。寧ろ会社から外に出ても仕事の話をしているその姿勢に敬意を表したい。
問題はその音量なのである。
もうそれは限界を超えていたのだ僕の。
何せ僕の後頭部とおっさんの口は近い。つまり耳からも近い位置にあったわけだ。
そして更に僕に「嗚呼…」と思わせたのはそのイントネーション。
これは関西弁だ。生身の、ライヴで関西人に触れたことはそれほど無いがこのイントネーションは間違い無い。
ややトウキョウナイズされているがこれは関西弁。しかも京都出身に違いない。
何故京都かと云うと以前僕がアルバイトしていたビデオ屋の店長が京都出身者だったから。
うん京都。この人京都の人だ。
そしてやはり関西出身の人はよく喋るなぁ、と一回り僕の関西人への偏見を大きくさせて彼等は明大前で下車して行った。
それからの車内は至極快適なものであった。