水木しげる

京極夏彦荒俣宏プロデュースの水木しげる展を見に行く。
日曜だけあって場内は人間で一杯であった。
意外だったのはゲゲゲの鬼太郎好きの子ども、そしてその子どもに付随してくる親(幼少時鬼太郎見てたはず)が多いことはさることながら、
70〜80代程の御老人の多いこと多いこと。
ただ彼等の目当ては鬼太郎、悪魔くん河童の三平。といった名作の生原稿等では無く水木しげる氏の戦争体験や貸本全盛時代、紙芝居を懐かしんでいた、ような気がした。
水木しげる氏は戦地でマラリアに苦しんだり片腕を失ったり壮絶な戦争体験の経験者だ。
それに自己を重ねて見ていたりしていたのではなかろうか。
キャッキャッと鬼太郎や一反木綿の絵を見てはしゃぐ子どもとしみじみと水木氏の自伝漫画に目を通す老人。
どちらもその感情は違えど、心から水木しげる展を楽しんでいたのではなかろうか。
僕はというと昔から好きな妖怪『がしゃくどろ』(だっけ?名前は曖昧)の絵を、ブロンズ像を見て「かっけぇー!!」と唸る一番頭の悪い客の一人でした。