日記

 某コミケに半ば義務的に足を運び、仕事を終わらせ、サークルブースを見て歩くも、最早終了間近の為、さして気の惹かれる同人誌を見つけられず、されど折角ここまで来たのだから何か買わねば、という焦燥感から『メゾン・ド・ペンギン』の同人本を300円で購入してしまうという今思えばこれほど愚行とは思えぬ愚行をしてビッグサイトを後にした。企業ブースで大学の後輩に遭遇し、きっと彼は大物か新宿の公園で暮らすかのどちらかになるだろうと感慨深くその後ろ姿を見送るなんてハプニングもあったけど、それはやはりコミケならではの何やらなのだろう。知らないけど。
 その後は、ちょっとしたお知り合いの方が出演するというライブを観に、新宿へと向かった。まずはボーカル・ギター・ドラムの良い意味でキングブラザーズ的編成のバンド、その後は良い意味でジッタリンジン的編成のバンド、更にコタニキンヤ的奏法で、空手バカボン的であり、UNDERGROUND SARCHLIGHT収録の『埼玉ゴズニーランド』的世界観のパフォーマーのパフォーマンス(というかゴキブリコンビナートのメンバーらしい)に痺れ、ペニシリン的編成のバンドの演奏を観、聴き、お目当てのバンドの演奏に満足行き、最後はややポリティカルで何と評して良いかわからない演奏でライブは終了と相成った。どのバンドもモラトリアムを抜け切れない、抜けたくない、僕は私は他者とは違うんだというロックやパンクに本来あるべき精神を持ち合わせていて、3年ぐらい前の何事も受け容れないような擦れに擦れていた僕ならば、きっと何も感じなかっただろうが、今は違う。社会に出て、改めてそういった思いを取り戻しつつあって、うんうんと思う節も度々出てきたぐらいである。
 ライブというものに久しく足が遠のいていたこともあってか、新鮮な気持ちで観ることが出来、「あっバンドって良いな。僕もバンドとか組みたいな。それで女の子に黄色い声援を浴びせられたり、いんぐりもんぐりしたり〜」というようなことは決して思っていないのだが、そういった感情が僅かながらに芽生えないこともなかった。つまりはバンドをやりたくなったわけである。しかしギターのコードを押さえるぐらいしか出来ない僕がバンドをやりたい等とほざくことは「当方キーホルダー集め、それ以外のメンバー募集。絶対プロ志向!!」ぐらい愚かなことを映画秘宝宛てに送るぐらいそれは愚かしいことなのである。ま、だから僕は観るよ。観るのだけでも楽しいもの。年末の筋肉少女帯復活ライブが生きてく糧。