コズミック流 (講談社文庫)

コズミック流 (講談社文庫)

ジョーカー清 (講談社文庫)

ジョーカー清 (講談社文庫)

ジョーカー涼 (講談社文庫)

ジョーカー涼 (講談社文庫)

コズミック水 (講談社文庫)

コズミック水 (講談社文庫)

 上記のような順番で読むと、ある仕掛けが浮かび上がってくるとか、こないとか。読了して思ったことは、浮かんできたような、きていないような。である。言われてみれば1人の作家が関わる、2つの壮大な事件ということで繋がりと仕掛けがあるような気もしないでもないが、言われなければ世界観が同じ小説と言えなくも無い。
 江戸川乱歩明智小五郎と同じように、日本探偵倶楽部。略して『JDC』の名探偵の面々が事件に立ち向かう。350人の探偵が1200個の密室のトリックを暴く、と冒頭から大風呂敷を広げたこの小説は、如何にして結末を迎えるのか。一度読み始めると、結末が気になって仕様が無くなる。しかし結末がわかると何と言うことはない。この感覚は佐藤友哉の小説に似ている。読んで損したことはないけど、思った程でもないな。そんな印象だ。それでも結末がわかるまでは、読書がとんでもなく楽しい。従来の(?)推理小説のように解決編を楽しむのではなく、小説全体を楽しむ推理小説ではないかと思う。
 それにしても全ての事件は超絶探偵『九十九十九』の華麗なる解決の為に用意されたものではないかと勘繰ってしまう。余りの美しさに彼の目を見た者は失神してしまう。その為、サングラスで瞳を隠す漫画のような名探偵、九十九十九。『コズミック』でも『ジョーカー』でも彼を中心に事件は終結を迎える。というか彼が解決する。厳密には解決してるのか否かは不明だけどれも。いつも九十九十九に良いところを持っていかれてしまう龍宮城之介が何とも哀愁を漂わせていて僕は好きだ。同人では一番人気らしいしな。
 次は舞城王太郎の『九十九十九』を読もうか。