日記

高校の頃を懐かしんだ僕は久々に東京にいる友人にメールを打つ。そして焼肉を喰おうという話になり、調布で久々の再会を果たす。
写真の専門学校を出てから、その学校に契約社員として勤め、辞め、今は写真を撮りながらバイトをしている。つまり彼はフリーターだ。コンクールに写真を出していつか近いうちに個展をやりたいと言っていた。僕は写真や絵に関しての知識が全く無いので彼の写真が良いのか悪いのかわからないが、是非とも写真家として大成して欲しい。
夢があれば定職に就いていなくとも不安は感じないのかも知れない。ニートも素晴らしいものに思えてくる。今週からヤングサンデーニート漫画が始まった。何ともニートが社会にのさばってきているのだなと感じる。漫画のタイトルは忘れたが漫画家の名前は「浅野いにお」だっただろうか。クイックジャパンで漫画を描いていた人だと思う。浅野さんの絵は何故だかやるせない。絵だけでやるせない。そしてニートという題材でもっとやるせない。おしゃれ手帖みたいな漫画が好きだよ、この僕は。
と、フリーターに郷愁を抱きつつ焼肉を喰らう。ビールで肉を流す。中ジョッキ3杯。ビールのアルコール量は5%前後。それでもビールはチューハイよりもキツい気がする。それはきっと昔から父親が毎晩飲んでいた酒がビールだったから。いつしか酒といえばビール、といったイメージが頭にこびり付き、ビールを最も酒たる酒として認識し、飲んでしまっていたからなのではないか。
それと付随して。僕らの隣のテーブルで焼肉を囲む6人の集団。年の頃は30代前半といったところ。男5人に女1人というスカバンドのような構成の集団。彼らの内の何人かが喋る言葉。それは関西弁。僕と友人は彼らが関西弁、関西的なイントネーションで喋る度に目を見合わせる。別に僕らは恋人同士という関係にはない。同性愛者じゃないし。関西弁に敏感に反応しているのだ。
僕ら2人は長年山口県という本州最西端の県で育ち、山口弁を話す。だから他の地域の方言にも寛容だ。出来れば全ての女の子は博多弁であって欲しいと思う。博多弁の女の子はとても可愛い。それだけでポイントアップなのだ。だけど何故だろう。関西弁だけは駄目みたいだ。そして偶然にも僕だけでなく目の前の友人も同じ気持ちらしい。
2人で関西弁不快作用の理由を考える。そして僕らが導き出した答えは以下のようなものだ。
例えばドラマの中で男前な俳優さんが「僕は死にましぇ〜ん!あなたが……あなたが好きだから!!」という臭い言葉を吐いても鼻には付かない(武田鉄矢が男前か否かはこの際問題ではない。僕の知ってるドラマの中の臭い言葉がこれぐらいしかなかったから使っただけ)。しかしどうだろうか。自分の身の回りでこんな臭い言葉をシャウトする奴がいたらどうだろうか。きっと大抵の人はむかつく、腹が立つ、鼻に付くと思う。しかも武田鉄矢級の奴が(ここにきて武田鉄矢をチョイスしたことが功を奏す)。それと同じ現象が起きているのだ。
幼い頃からテレビや映画の中の芸能人が関西弁を話す様を目にする。勿論ラジオでも。関西弁は僕らの中ではテレビに出ている人だけの言葉なのだ。それはドラマで臭い言葉を叫ぶ、囁く様と同じなのだ。現実にやる人間がいるのが何故だか許せない。関西弁不快作用はテレビ・ラジオがもたらした功罪だ。テレビとラジオに謝罪と賠償を(ry
半年ぶりに会ったのに話す内容はこんなもんなのか俺達は。でもこういう会話が良い。こういう会話を一生していたい。