日記

 午前中説明会。説明会つまらない。映像がちょっと痛い。説明会後、適性検査を行い、エントリーシートを書かされる。終わった人から随時退出して良いとのこと。さあ終わった、よしよし帰ろうと帰り仕度をしていると人事の女性方が「エントリーシートと適性検査を提出する際に一言自己PRをして下さい」と。うへへ。自己PR?この会社のこと全然調べてないよ、俺。どうしよう、俺。うへへ。嗚呼多分俺、うへへ、一番に適性検査もエントリーシートも終わらせてる。よし落ち着け、うへへ、俺。考えろ。PRしたいことは何だ。考えろ。阿呆。よーし出来た出来た。さあ立ち上がろうって同時に後ろの女子大生も立ちましたよ。バツが悪いとはこのことか。とりあえずレディファーストじゃないかな。ドアの前で人事の女性方が長机を前に鎮座。一度立ち上がってしまった俺はその姿勢のまま後ろの女子大生がPRし終わるまで待機。するともう一方人事の女性方が長机に座る。俺の為に座っているのだろうか。そうだろうな。じゃあ行きますか。ってあれ。俺、何だ。さっき思いついたじゃん。思いついてたのに。何俺。嗚呼そうだそうだ思い出したぞ。今日の説明会は詰まらんかった、自分ならもっと良いものを提供出来る。という旨を伝えるのだ。よし言おう。はい言った。ちょっと震えながらはい言った。じゃあ帰ろう。と部屋を出てエレベーターに乗り込む。先に乗っていたのは後ろの女子大生。ちょっと会話を交わす。何を言いましたか。だとか。どうですか就職活動は。だとか。お互いに無い内定であることが判りちょっとしたケミストリー。さようなら。
 新宿に着いたら雨がパラついていたので100円ショップで傘を買う。傘を差して歩く。紀伊国屋に向かって歩く。本を買うわけではない。紀伊国屋ビルの地下にあるカレー屋「モンスナック」へ向かって歩く。そういや昨日もカレーだったな。もう毎日カレーで良いな。油脂が多いから身体に悪いけど毎日カレーでも良いよ。地下の飲食店街。モンスナックは粗末なカレースタンド。であるがそこには著名人のサインが壁一面に。井上ひさし蛭子能収。それに蛭子能収。あと蛭子能収のサインもあるな。蛭子さんのサインが僕の目の届く範囲に4枚。蛭子さんがモンスナックのヘビーユーザーであることが伺い知れた。他にも読めないけど色々サインが。カレーとはちょっと違う変則的なメニュー『カレーバターライス』を頼む。カレー味のバターライスと小さなタンドリーチキン、レモンティーが付いて800円。相応のものが出てくる。タンドリーチキンは柔らかくて骨からの肉の離れが良くて美味い。今度来るときはカツカレーを食べよう。明日かな。
 帰宅後ドラゴンボールGTを観ながらふと考える。コミックス第一巻に於いてブルマが悟空の尻尾を見て驚く。悟空はブルマが何故驚いているのか察しが付かない。何せ孫悟飯以外の人間を見るのが初めてであるからで、そんな人間が他人の気持ちを推し量ることはなかなかにして困難なことであろう。ようやくブルマの驚きの対象が自分の尻尾にあることに気付いた悟空は男には付いているという旨を伝える。ブルマは男の尻をまともに見る機会がこれまでの16年間の人生に於いて無かったらしくそうだったのかと納得する。しかしすぐに祖父である孫悟飯には付いてなかったことがわかり安心する。どうだろうか。この一連の流れ。ドラゴンボールの世界には人間以外にもピラフの手下である狐男(犬?)、シュウがいる。彼もまた尻尾を持っているし人語を話す。ウーロンがいる。彼もまた人語を話す豚であり尻尾を持っている。天下一武道会の観客には様々な獣型人間がいる。ブルマは彼等の登場には驚かない。悟空も同様である。道に迷った海亀と会話を交わす。しかしながらカリン様が喋る場面では驚く。ドラゴンボールの世界では人も狐も豚も同様に、同時代に進化し、知能を持ち、文明を創っていったのだろうか。それとも人間が遺伝子を操作し創造したミュータントが獣型人間なのだろうか。それは考えられない。カリン様は齢800歳。この時分に於いて例え文明の発達したドラゴンボールの世界でも人間は遺伝子を操作する技術等持っていなかったはずだ。では人間と同様の進化を遂げたと考えるよりあるまい。哀しいことだがドラゴンボールの世界では殆んどの要職に人間が就いている。獣型人間は人間から差別を受けているのだろう。唯一の救いは国王が獣型人間であるということだ。彼はアパルトヘイトに抵抗したマンデラ大統領のような存在に違いない。
 しかしここに於いて新たな疑問が浮上してくる。進化していない動物も同時に存在しているということだ。カプセルコーポレーション社長ブリーフ博士は捨て犬、捨て猫、捨て恐竜を拾ってきてしまう。とブルマが愚痴をこぼしている。ミスターサタンに懐いてきた犬もいる。獣型人間と彼等の違いは何だろうか。何故彼等は進化することが出来なかったのだろうか。ドラゴンボールを熟読、再考した結果、ようやく私は答えを導き出すことに成功した。

漫画だからだ。