映画

いぬのおんがく inspired from「いぬのえいが」

いぬのおんがく inspired from「いぬのえいが」

 もう観る前から自分がどうなるかなんてわかっていたわけだが。この映画を男だけで観ている様を客観的に見てみたい。そんな発想で始まった男だけで『いぬのえいが』を観に行くツアー。5人に召集をかけたが来たのは3人。最も武骨さを誇る2人が参加しないという事態。橋本のシネコンは劇場版ワンピースを観ようと待ち侘びていた子どもとお母さんたちで混み合っていた。一見すると世を儚んで映画にしか生き甲斐を見出せない我々3人はこれから始まる映画に胸躍らせる子どもたちを横目に2番シアターへと向かった。2番シアターには僕らを含めて15人前後の客が。
 さて上映が始まる。珍奇なミュージカル風のオムニバス1作目。無くても良い。CMクリエイターの苦悩を描く2作目。ドッグフードのテレビCM企画。こだわりの材料を全面に押し出してくれとのメーカーからの要望。それに応える中村獅童扮する新人(と思われる)CMプランナー。出来上がったCMには売れっ子タレントの伊東美咲。彼女の顔に被るように大きな文字で「マグロ」。これには何か隠喩があるのだろうか?詳しいことはよくわからない。でもそうなのかも知れない。
 ポチの話。これはヤバい。ポチがボールをくわえて救急車を追って走るシーンで涙が出そうになる。その後、僕お気に入りの俳優さん、荒川良々が声優を務める犬の恋の話。ほのぼのとして良い。荒川良々の切羽詰ったような喋りが良い。で、またミュージカル紛いの一本を挟んで病院での話。
 ポチ死んじゃったよ・・・・・・。皆に愛されて死んでいったけど一番愛してくれた人には会えないまま死んじゃったよ・・・・・・。ポチは優し過ぎるんだよ。最初の涙が一粒だけ出た。次は確かアニメーション。冒頭にもあったアニメーションの続編だがトーンが違う。人間のエゴに翻弄される犬たち。嗚呼これはアニメだけれども日々現実にこんなことが何処彼処で行われているのだろうな畜生。ポチの死で我慢していた涙が堰を切ったようにドバドバ出てきた。その後の宮崎あおいのやつもヤバい。飼い犬に重ねて観てしまう。そうするともうさっきの涙が止まらない。何なんだこの涙は。映画でこんなに涙は出るもんなのか?初めて映画を観て泣いたよ。映画っていうか、映画の内容っていうか犬の健気さに涙が溢れる卑怯な映画だよ。男3人阿呆みたいに泣いてたよ。