インディヴィジュアル・プロジェクション (新潮文庫)

インディヴィジュアル・プロジェクション (新潮文庫)

芥川賞を獲得したあの人の作品。
ブックオフにおいて100円で見つけたので購入。
嗚呼、この表紙か。この表紙なら見たことあるよ。
お洒落さが鼻に付くから手に取らなかったけど。まさか作者が阿部さんだったとは知らなかった。
内容もそこそこお洒落でシャープ。だと感じた。


お洒落要素① 舞台が渋谷
お洒落要素② 登場人物の名前が全て片仮名(例:オヌマ・アヤコ・マサキ等)
お洒落要素③ 解説が東浩紀。これが果たしてお洒落かどうかはわかりかねるが何となく3つぐらい挙げておきたかったので。


中でも②番目の名前が片仮名っていうのがお洒落だよね。
ひねくれ系の雑誌(名前は忘れた。QJとかBUBKAとかその辺りだったと思う)でもお洒落な小説の登場人物は片仮名。とか書いてあったもんな。


でも結構面白かった。
妄想なのか薬なのか現実なのか。何処の世界にいるのかわからなくなる場面がある。
そこが何となく良い。
妄想なのか薬なのか現実なのかわからない世界での主人公オヌマの言動や行動が阿呆。
オヌマはややDQN。でも映画館バイトのカヤマはもっとDQN
カヤマにむかつく。カヤマがむかつく。こいつ殴ってやりたい。
無理だけど。カヤマは強いから殺されちゃうだろうけどカヤマ殴りたい。
阿部さんには是非カヤマをフィーチャーして小説を書いて欲しい。
凄ぇむかつく話になると思う。途中で本を投げてしまうかも知れない。
でもそれぐらいむかつく小説も読んでみたいものだ。