冷暗所保管―テレビ消灯時間〈4〉 (文春文庫)

冷暗所保管―テレビ消灯時間〈4〉 (文春文庫)

比較的最近のテレビについてナンシー関が書いてくれた。言ってくれた。彫ってくれた。
その視点はやはり唸るものがある。
杉田かおる台頭以前に彼女の今あるポジションを言い当てている。
そんなズバリと言ってしまっても良い程のキレがある文章。
ナンシー関の言ってることがどうなっているのか、というのが実際に、やっと現在テレビの中で形となり現れている。
この本は今読んだ方が面白いかも知れない。
それにしても巻末の竹中直人の解説は泣かせてくれる。
解説といっても解説ではない。
他界してしまったナンシー関を偲んでのちょっとした小説のようなエッセイのような。
竹中直人の語りっぷりが文字を通して伝わってくるようなしみじみとした文。
竹中直人ずるい、と言いたくなるようなそんな哀しい、優しい解説。