権現の踊り子 (講談社文庫)

権現の踊り子 (講談社文庫)

久しぶりの町田小説。短編が数本収録されており、その内容はいつもの如く日常とそこから少し逸脱したり腹を立てたりするような。そんなようなことをあの町田節で書いてあって、町田康ファンなら一定の満足感は得られるのではないかと思う本。ただ、玄侑宗久の解説でその満足感は半分以上削がれてしまうような感覚を覚える。玄侑宗久町田康の文体を真似て短編一話一話をなぞっていく。嗚呼…って思ったね。

実録ドラッグ・リポート―アジア編

実録ドラッグ・リポート―アジア編

『実録 ドラッグ・リポート アジア編』。なんとデンジャラスなタイトルだろう。表紙も大麻を吸っているような、危なっかしい写真だ。更に扉をめくるとインドのバラナシで監禁された、だとか、ミャンマーのゴールデントライアングルへの潜入を試みたり、だとか、ビキビキな内容に思えるのだが、読んでみると、そうではない。ドラッグの現地人価格や効き目が紹介されていることは紹介されてはいるのだが、それよりも現地で出会った人との交流に目が行く。ドラッグ本というよりはよりリアルなアジア旅行本という感じ。そして僕の文章が仕事に毒されて無機質になっている気がしてならない。