ライトノヴェル

クリスマス・テロル invisible×inventor (講談社ノベルス)

クリスマス・テロル invisible×inventor (講談社ノベルス)

密室縛りでメフィストの作家陣が書き下ろした小説の一つ。
舞城王太郎の『世界は密室で出来ている』は読了していた。で、佐藤友哉のこの作品に手を付けてみた。
彼のデビュー作『フリッカー式』は結末はアレな感じだったが読んでいるその時間は楽しめた。
ゆらゆら帝国」だとか「DMBQ」だとかが文中に出てくるからまんまと作者の術中に嵌ってしまったのだろう。『クリスマス・テロル』にも
「ハイスタ」がどうとか出てきたし。
作者は音楽ヲタを取り入れようとしているのだろうな。
他にも僕には分からないアニメなのかゲームなのか、兎に角そんなネタも出てきた。
作者は今同人誌で書いてるらしいからメジャー時代から同人ノリで書いていたのかな。

今作『クリスマス・テロル』で佐藤友哉の作家人生は終了、なのかな?
新作出てないし、同人でしか出てないし。作中に凄い仄めかしてるし。

この作品自体は、まあうんこ。
フリッカー式』以上のうんこ。
多分佐藤友哉の中でもかなりうんこなのだと思う。
密室ってのがもう滅茶苦茶。全然考えてなかったと思われる。
若しくは考えて考えて一周して出てきたのがこの密室。

作中には作者自身が登場して読者に「俺の作品どうなの?」
と問いかける節が多々出てくる。パンクなのか逃げなのか。
そのスタイルは筒井康隆大塚英志を踏襲しているのでしょうか。

まあ兎に角うんこ。至上稀に見るうんこ。
でも読んでる間は楽しかったです、佐藤さん。
僕はあなたみたいになりたいよ。